ニューイングランド生活 第6週

10/2 (Mon)
 朝、起床後にiPadミニを起動して、ラスベガスで乱射事件があったことを知る。今までにない規模の乱射事件。どうなるのかな・・・と心配。友人の夫は「今アメリカで一番危ないのは中東のテロリストではなく、トランプ政権支持者の白人男性だ」と言っていて、妙に感心する。長男がスクールバスに乗って学校に行くのを見届けた後、我々も出発。ここを訪ねて良かった、友人一家皆に感謝。
 メイン州の有料高速道路に乗り、そこからニューハンプシャー州を少し抜けて、マサチューセッツ州へ。事前の検索では3時間半かかると書いていたが、給油と昼食休憩の時間を除くとそれより少し短いぐらいだったかもしれない。段々自分の車の運転にも慣れてきた。やや馬力に欠けるため、この車で大陸横断ができるかはわからないが、1年あちこちへ乗っていきたいと思う。
 昼過ぎに帰宅し、図書館のオフィスへ行って仕事。溜まっていたメール対応や新しい書きものに着手。そのまま夜までオフィスで過ごす。

                            • -

10/3 (Tue)
 朝、家の諸々に対応。妻が外出時に鍵を持参し忘れたのでどうしようか迷った末、普通に出勤して取りに来てもらう。
 日中は終日図書館のオフィスで仕事。いろいろな文章に目を通し、メモを続ける。書く仕事が少し遅れ気味。学部長からメールが届き、意味深な件名でドキッとしたが、内容は厳しい話でなく笑みがこぼれる。ぼちぼち科研の申請書に手をつけ始める。

                            • -

10/4 (Wed)
 朝、テニス。大分うまく打てるようになったが、眼鏡でプレイすると時々距離感覚がずれるのが難点。途中、テニスコートの落ち葉掃除をしている施設担当者の車が入ってきて、風を吹かせながら落ち葉をコートの隅に集めていった。ホウキで掃いていく日本人の作業とは大違い。合理的というか、エネルギーの無駄というか・・・。
 日中は溜まっていた文章を読んだり、メールの対応をしたり、データ記録を見直したり。マサチューセッツ大学の夜間ESLに通っている妻を迎えに行った後、二人で自宅呑み。こういうじっくり話せる時間が今あることに感謝。

                            • -

10/5 (Thu)
 前夜のワインが影響したのか、久々に少し二日酔い気味。交通事故の後処理を担当する保険会社からメール、すぐに賠償してくれるだろうか・・・。いろいろ読み続ける。

                            • -

10/6 (Fri)
 朝、いつものようにオフィスへ向かうと、図書館の入口に「午後5時に閉館する」と書いてあり、ビックリ。秋休み前の金曜であることに気づく。
 日中はいろいろ読んだり連絡したり。日本から学部留学しているYさんがオフィスを訪ねてきて、しばし雑談。秋休みといってもピンとこないのが正直なところ。午後5時に閉館のアナウンスがあり、帰宅。妻といろいろな話ができる夕食の時間があることは本当に感謝。

                            • -

10/7 (Sat)
 数日前に続き、若干の二日酔い。テニスをしたかったが、天気が悪く断念。週末にどこへ行こうかいろいろ話していたものの、アイディアがまとまらず。ひとまずダウンタウンファーマーズマーケットへ。野菜や地元産ワインなどを購入。
 日中は家事や読書が中心。地元紙Boston Globeや別途で購読しているNew York Timesのライティングスタイルにも随分慣れてきた気がする。ここで掲載されている記事を利用しながら授業ができればなぁと思う。

10/8 (Sun)
 ハリケーン・ネイトが北上していたため、10月の割に暖かい一日。バスケットボール殿堂が住まいからそれほど遠くないSpringfieldにあることを見つけて気になっていたので、本日はここへ行くことにする。
 車で1時間弱の距離だが、高速はいつもなぜか混雑気味。車間を詰めて運転する人が多く、合流時は必ず渋滞ができる。なんとかならないかな・・・と思えてならない。Yelpで検索したらベトナム料理店が複数あったため、バスケ殿堂へ行く前に昼食をそこへ食べに行く。妻はフォーを、私はシーフード系の麺を、どちらも美味しくいただく。ベトナム系の店が集積していたので、その理由を聞いてみると、かつてコダックの工場に務める人が多くいたことが関係しているとのこと。しかしコダックは人件費の安い南部州へ移転してしまい、ベトナム系の人口も減少している様子。
 昼食後、若干ルートに迷いながらもバスケットボール殿堂にたどりつく。あまり伝統を感じられなかったのは、2002年に新設されたことと関係しているのだろう。入場料が大人24ドルとやや高かったが、行って良かった。入場して3階まで上がってから、バスケの歴史や殿堂表彰者の展示をゆっくり歩きながら見たが、懐かしい顔ぶれがあれこれあってとても楽しめた。自分が本格的にアメリカでバスケを観はじめたのは1989-1991年ぐらいの十代アメリカ滞在時から。高校・大学とバスケ部にいたので、帰国後もNBAの動向を追っていた。大学院に入って少し御無沙汰となったが、博士課程でケンタッキー大学大学院へ留学してからは全米の大学バスケに関心を持ち、結構いろいろ観ていた。留学を修了して帰国したのが2007年末。それ以降、次々と新しい選手が出てきて現在に至っている。現在現役で活躍している中で大学時代から知っているのはKevin Durantぐらい。滞在中はじっくりバスケをみたいと思う。
 展示はNBA選手が中心かと思っていたが、実際にはNBAの名選手や名監督だけでなく、大学バスケの監督、女子の選手や監督、そして高校の監督やチームなども紹介していた。そこそこアメリカのバスケに馴染みがある人なら、懐かしさや新たな発見がたくさんあってじっくり展示が楽しめると思う。丸々2時間ぐらいかけてゆっくり展示を見学して、1階のバスケコートで少しシューティングした後、マイケル・ジョーダンのインタビューを上映していたのでそれを観に行く。久しぶりに観たジョーダンは、昔の記憶よりも声が高く、そしてわかりやすい南部訛りで話していた。現役時の三連覇、突然の父の死、大リーグ(MLB)に挑戦した後、再びNBAへ復帰して三連覇を達成した輝かしい記録は、懐かしい映像が満載であった一方、彼の話をこれだけたくさん聞けたのは初めてだったので、とても興味深かった。ジョーダンファンにはぜひ勧めたいと思う。
 上映が終わってから再びコートに戻って少しシューティングしていたが、閉館時間の午後4時になり、皆追い出される。売店でバッシュとボールが入る中型のバッグを15ドルで買い、満足満足。あとはのんびり運転して帰る。以前ファーマーズマーケットで買った丸鶏の煮込みを妻が仕込んでいて、それを夕食に美味しく食べる。夕食の時間がじっくり持てている今を大事にしたい。

ニューイングランド生活 第5週

9/25 (Mon)
 朝、久しぶりにテニス。この数日はずっと暑い日が続いており、1時間弱のプレイにもかかわらず、たくさん汗をかく。
 朝にアドレナリンが出たからか、途中の昼食時を除き、日中はずっとオフィスで仕事。目に留まった記事のメモを書いたり、日本から持ち込んだ仕事の処理や、翻訳関係の作業を続ける。春学期までは毎週8コマ授業があり、それに加えて各種会議が入ったりして、じっくりオフィスに座って仕事を続けられる日はなかなかなかった。そのため、今の時間を毎日無駄にせず、しっかり過ごしたいと思う。妻が他大学で開講されている夜間授業を履修するようになり、それが終わる頃に迎えに行き、今日は店じまい。

                            • -

9/26 (Tue)
 朝はランニング。近くの自転車・散歩用トレイル(旧・鉄道路線跡)に1マイル(1.6km)ごとに目印となる石柱が立っていたのは見ていたが、走っていると1/4マイル(400m)ごとに目印の石板が目立たない形で置かれていることに気づいた。一応Garmin社のGPS付時計で距離とペースを計りながら走っているものの、これは便利。今回は2マイルの往復6.4km、賀茂川沿いを走るのとはまた違った気分で、汗はかくが心地よい。帰宅して、ネットで購入し昨日届いたばかりの体重計に乗ってみると、76.1kgと出国前よりも落ちていた。渡米前は周囲から「アメリカに行ったら太って帰ってくるでしょう〜」と言われていたので、それを挽回する良い機会かも。
 午前中に仕事したあと、先週金曜のコロキウムで発表していた哲学科の先生とランチ。50分ほどいろいろな話をする。政治哲学の分野で研究していた彼は、資本の影響や居住者―地主の権力関係への問題提起だけでジェントリフィケーションをとらえるのは不十分と考え、それゆえ正義論や束縛からの自由といった観点から論じようとしているとのこと。今後の進展が楽しみ。彼は地理学と哲学の接点についてあまり知らなかったらしく、アメリカでは学問分野を超えたコラボがあるという話や、地理学の変化、アメリカの地理学教室の分布の背景などについても話す。教員食堂で昼食を取りながらの会話だったが、非常に貴重な機会だった。またこういう時間が作れることを期待したい。
 翻訳作業を続けたり、いろいろなものを読んだり。帰宅して夕食をとった後に、総合デパートTargetへ携帯のプリペイド料金を買いに行く。今後はネットで購入しても良いのかも。ただ、慣れてくるとアメリカ国内で発行されたクレジットカードを持っていないことが時折不便になる。1枚用意するかな・・・。

                            • -

9/27 (Wed)
 朝、所属大学で実施されている教員向けのライティング・リトリートへ行く。研究には何よりも「書く」ことを重視するうえで、それを推奨する試み。数名の教員が来て皆黙々とPCに向かって書いていた。普段授業に追われていると、こういう活動はなかなかできない。このような「研究支援」もありだなぁと感じる。

                            • -

9/28 (Thu)
 朝、ランニング。少しずつペースも良くなっている。昔ほどのスピードでは全く走れないが・・・。
 昼、ホスト側の所属先となるアジア言語・文明学科が勤務校からの派遣者・留学生を対象としたランチ会を開催して下さり、それに参加する。ホストの大学は日本語の常勤講師が4名おり、大学の規模を考えると規模は大きい方だろう。私自身はあまり英語の環境で日本語を話すことは好まないが、こういう機会は例外的な存在だなと思う。
 夕方、ホスト側の先生方有志の誘いで、近くの店へ呑みに行く。目立たない場所にあったが、地ビールの品ぞろえは豊富。3人で行って、交代交代で3人分を買いに行くのもアメリカ式。こちらに来てから初めて妻以外の人たちと呑む機会であったことに気づく。学内外のいろいろな話をして、1時間半ぐらいで解散。良い機会だった。

                            • -

9/29 (Fri)
 朝、少しテニス。近くのコートでテニスができるのは本当にありがたい。
 昼、少しばかり作業をしたのちに、妻と出発。週末に友人一家を訪ねるため、メイン州へ向かう。この日は妻が調べていたことで知ったショッピングの街、Freeportへ。元々あったL.L. Beanの本店に加えて多数のアパレル系ショップが店舗をこの地に設けたことで、市の中心地にアウトレットが出来たような状態になっていた。パタゴニアNorth faceやL.L. Beanなど、いろんな店を回る。私は最終的にパタゴニアで冬物アウトドアコートを半額セールで購入。十分買い物をして、ここで一泊。

                            • -

9/30 (Sat)
 朝食後、宿を出てから再びダウンタウンへ。前日に行ったL.L. Beanに加えて、Banana RepublicやGAPにも行く。
 昼にメイン州のLewistonへ。大学院留学時代の友人Tina Mangieriと一家を訪ねる。彼女とは既にFacebookでつながっていたし、アメリカ地理学会などで会ったりはしていたが、よくよく話してみると最後に会ったのは6年前のシアトルでのアメリカ地理学会だった。久しぶりの再会、彼女の夫もずっと会っていなかったし、息子も初対面。とても懐かしく、いろいろな話をする。
 一段階してから、彼女の勤務するBates Collegeを案内してもらう。なるほど、私達の受け入れ先の大学と似たリベラルアーツ・カレッジ。ただ、私達がいるところよりも坂が少ないので、動きやすいかなと思った。チャペルは立派。リベラルアーツカレッジと教会は切っても切れない存在であることを実感する。
 大学の近くにあったタイ料理の店で軽く夕食を取った後に、彼女がアレンジしていたManhattan Short Film Festivalの上映会へ行く。短編映画のコンテストで、最終選考に残った10本から最優秀賞と最優秀俳優賞をオーディエンスが投票で選ぶというもの。自分が気にいるものもあれば「えぇぇ?」という内容のものもあったが、なかなか興味深い機会だった。(後日談として、最終的に世界全体で視聴者投票を集め、そこで最優秀賞が決定された。個人的には金賞はユーモア度で秀でていたものの、それ以外のものの方が内容的には良かったと思う)これ、いつか京都シネマでも行われるといいなぁ・・・。

                            • -

10/1 (Sun)
 朝、友人の長男がプレイする地元のサッカーチームの試合を観戦・応援に行く。両チームとも15人ぐらいいて、試合の途中で頻繁に交代しているのが良かった。チームは後半に追い上げたものの惜敗。日が昇って眩しかったが、多くの子供たちが来てプレイしているのは良い光景だった。
 Lewistonの街中にある美味しいベーグル屋で遅い朝食を取ったあと、Freeportへ。長ズボンをはじめとした冬服を買いに行く。Freeportに前日行った我々も、その時に入らなかった北欧系のアパレル店へ入り、流れで私は半袖シャツを買ってしまう。買い物は怖い・・・。
 買い物を終えて、海岸地域へ案内してもらう。Freeportからしばらく北東に行き、元は海軍や造船の街だったBathから南へ。海沿いの州営海岸公園は有料だったので入らず、もう少し先に行った海岸沿いの史跡へ。古くから見張り場として使われていたここは、第一次大戦時には機雷も設置
されていたらしい。現在は海辺の静かな土地。とても気持ちの良い場所だった。
 そこから車で15分ほど戻り、夕食はSebasco Harbor Resortのレストランへ。先ほど行ったところとは異なる海辺の気持ち良いエリア。強風のため、外での夕食はできなかったものの、シーフードを美味しくいただく。フライばかりなのはアメリカらしいが、それも御愛嬌。妻が食べたロブスターのサンドイッチは、ボストンで食べたそれよりもずっと身が詰まっていて美味しかった。
 夕食を終えてLewistonへ。友人宅へ戻り、子どもを寝かせた後も4人でいろいろ話していた。 

ニューイングランド生活 第4週

<記録はつけているのですが、長らく更新せずのままでした。すみません…>

9/18 (Mon)
 朝、午前中は普通に仕事。いろいろ溜まっていたものを読む。
 保険会社から郵便が届き、自動車保険用の検査が必要ということで、午後に保険会社が指定する整備業者へ行く。写真を撮ったり中を確認したり。遠方まで来る意味があったのかわからないが、業者側も「なんでわざわざここまで?」と言っていたのが印象的だった。あと11カ月、ケガなく乗りたい。
 この日から妻がマサチューセッツ大学アマースト校(UMass)の夜間英語クラスを履修し始めたので、夜に送迎。少しずつ学ぶ機会になってほしいと願う。

                            • -

9/19 (Tue)
 午前中は普通に仕事。午後に所属するアジア言語・文明学科の学期初めレセプション。学科が購入したという本の紹介があったり、教員や学生との交流があったり。
 その後、夜に対談イベントへ参加。Ilan Stavans先生が司会。Stavans先生は以前京都へ交流で来られたことで面識があった。イベント自体はワシントンポスト記者を招いてBlack Lives Matter運動の勃興について語られたもので、なかなか興味深かった。

                            • -

9/20 (Wed)
 朝、ランニング。なんとなくだるかったので、4kmほどと短め。そのあと普通に出勤。しばらく昼食抜きダイエットをしていたが、昼にどうも腹がすいてきたので、初めて学食(Dining Hall)へ行く。ここの学生は寮費や学費に食事代が含まれているが、教員はその都度払うとのこと。しかし昼食が食べ放題で3ドル!これはすごい・・・。

                            • -

9/21 (Thu)
 ランニングもテニスもお休み。終日論文修正とメールの対応。詳細は失念。少し早めに帰宅し、妻の買い物を手伝う。留学時代の後輩がコネチカット州に来ていることを夜にSNSで知り、彼を訪ねることを検討しながら寝る。

                            • -

9/22 (Fri)
 この日もランニングとテニスはお休み。後輩を訪ねる事を検討しつつ、日中は仕事を進める。昼に教員のコロキウム(カジュアルな研究発表会)があり、それに参加する。哲学科の先生がジェントリフィケーションについて論じるもの。まだ初歩段階の研究という印象だったが、正義論や構造共和主義(?)から論じようとするのは目新しく感じた。
 結局コネチカットは行かないことになり、夕食は街へ出る。豚バラの前菜は初めて食べるタイプの料理で興味深かった。

                            • -

9/23 (Sat)
 季節外れの暑さがやってきて、朝の運動はお休み。体調がイマイチだったので、マーケットも行かず。
 少し余裕が出てきてから、昼過ぎに少し外へ。数日前にメールで見かけていた「マウント・ホリーヨーク山にフンボルトの石碑があるという話は本当か?」との投稿が気になり、州立公園の現場を観に行く。石碑はどうもなさそうだったが、Mt. Holyokeの頂上はコネチカット川流域が見渡せるとても素晴らしい見晴らしだった。頂上にあった小屋は閉鎖中だったが、のんびり下を見下ろすピクニックには向いている場所。来てみてよかった。
 帰りの途中で家に必要な雑貨を購入、夕食も近くのファミリーレストランでテイクアウト(持ち帰り)で購入して帰り、家で酒を飲みながら食べる。Applebee'sの料理は可もなく不可もなくといった感じ。

                            • -

9/24 (Sun)
 今日がアメリカに来て4週目。夜は暑かったのが朝に冷えて布団から出られず・・・。朝食を取った後、妻とともにお出かけ。今回はヴァーモント州に行くことにし、州中部のニューイングランドメイプル(カエデ)博物館を目指して北上する。
 高速道路が空いていたので運転は楽だったが、国道4号を西進し始めてからは山越え・山下りの連続。スキーリゾートらしき場所も通ったが、ゲレンデが見えず不思議な感覚だった。
 目的地の博物館へは、給油や休憩も含めて3時間半ぐらいで到着。来るまで知らなかったが、ヴァーモント州はメイプルシロップ・砂糖の生産が全米一位らしい。先住民の居住時代からメイプルシロップの採取と精製がどう変化したか、様々な展示とともに学ぶ。10年前にメイン州在住の友人を訪ねた際にチューブ状の樹液採取を見ていたが、ヴァーモント州は伝統的にバケツで集めているらしく、少々驚く。また、採取と精製の最盛期は3−4月とのことで、これも意外だった。シロップは採取時期や加工の過程の違いで色や味も変わるらしく、それらを試食したりした。なかなか奥が深い・・・。また、売店の横には「ヴァーモント州のメイプルシロップをほとんど使っていない(インチキ偽装の)商品」が展示されており、産地・生産者保護がここでなされていることも学んだ。労働集約型の製造で、製品になるのは樹液の40分の1程度にすぎないとのことで、簡単に安売りはできないことも知る。今後も観察を続けたい。
 ここからそのまま帰るのはもったいなかったので、近くに何か興味深い施設がないか聞いたところ、Vermont Marble Museum(大理石博物館)があると聞いた。先々週にノース・アダムズを訪ねた際に大理石の採掘場とその跡が作った渓谷を見ていたので、関連があるのではと思いながら行ってみた。行ってみると、規模は想像以上。ここの展示を見て知ったが、ヴァーモント州にはかつてヴァーモント大理石社(Vermont Marble Company)という企業があり、それが立地していたProctorという街はまさにその企業城下町だったとのこと。採掘規模も大きく、また合衆国が工業化を進めていた時期で、19世紀末〜20世紀初頭にかけて多くのヨーロッパ移民がここに従事したらしい。同時にここで社会派の写真家がたくさん撮った写真がきっかけとな
り、児童労働の規制が生まれていったという指摘はとても興味深かった。展示されていた大理石はどれも立派なもの。たしかにキッチンもトイレや洗面所も、大理石だと綺麗に見えるなぁと実感する。
 日が暮れはじめた16時ごろにここを出て、下道を中心に家路へ。高速道路に出るまでの道はひたすら山越え・山下りが続き、周囲はほとんどが森林だった。既に紅葉も始まっており、10月がどんな色になっているか楽しみ。約3時間半で帰宅。まだ夜の運転は慣れていないので、慎重にいきたい。

ニューイングランド生活 第3週(後半)

9/16 (Sat)

 朝、妻とテニス。午前中、ファーマーズマーケットへ。いろいろ買い物。その後昼寝。結構寝てしまう。
 起きて新聞をいろいろ読んだ後に、同志社から留学している学生2名と妻と夕食会。皆それぞれの想いを持って来ていることがわかる。彼らの活躍に期待したい。

                            • -

9/17 (Sun)

 朝、ランニング。その後、州東部のウォールデンへ。車で州道2号線を東に向かい、コンコードへ向かう。ここはアメリカの環境運動の父とも言われるヘンリー・ソローが眠る街。彼が書いた『ウォールデン・森の生活』の舞台であるウォールデン池を訪ね、散策する。とても気持ち良いエリア。海水浴をしている人や日光浴をしている人がたくさんいたが、夏はすごく混むのだろう。
 池を一周した後に、コンコードの市内へ。街並みが綺麗な市街地を抜けて、北西のMinute Man National Historical Parkへ足を運ぶ。アメリカ独立戦争が始まる契機となった地。私自身はアメリカ研究を守備範囲としているものの、恥ずかしながら独立戦争の詳細を十分理解していない。いろいろな展示や石碑を見ながら、当時の様子に思いを寄せた。戦いが始まったNorth Bridgeのそばで歌を歌いながら通行者に声をかけている人がおり、アンケートを集めているのかなと思って話してみると、来年の連邦上院議員マサチューセッツ州から立候補しようとしている方だった。こんな立候補者と会うのは初めてだったので、ちょっと驚く。あちこち回った後、コンコードの市街地へ戻って遅い昼食をとる。こういう街に住むのは気持ちが良いだろうなぁとしみじみ感じた。

ニューイングランド生活 第3週

(記録はつけていましたが、更新しそびれていました。すみません。少しずつ更新していきます)

                            • -

9/10 (Sun)
 朝9時過ぎに泊まった宿をチェックアウトし、近くのスーパーで軽食と日曜朝刊を購入し、ここで朝食を済ませる。10時から開館すると思っていた美術館が11時からだったので、再びカフェ内でお茶しながら読書で時間をつぶし、11時に美術館へ。いろいろ観たし、私自身はアートがやや苦手なのであまり深入りはしなかったが、Facebookの友人がどれだけ"本当の友"かを確認するために世界を回って友人全員(許可を得た者のみ?)の写真を撮ってくる"Are You Really My Friend?"という企画は興味深かった。Facebookが私の引退時まで続いていたら、ぜひやってみたい企画だなと思う。
 昼過ぎまで展示を観た後にNorth Adamsを出発。地図をみるとこの街の南西部にマサチューセッツ州で一番高い山があり、そこへ車で行けるということで、ドライブしながら行ってみた。Mt. Greylockという山で、標高は3400ft(約1030m)とそれほど高くなかったものの、頂上にある展望台(記念碑)からは北の州の山地や西のニューヨーク州方面が遠望できて、なかなか良かった。ここからは下道でゆっくり大学町まで帰る。ほとんど信号がない道で、カーブも多かったが、農地があまりないのが意外だった。約2時間少々で帰宅。

                            • -

9/11(Mon)
 朝テレビをつけると、911のメモリアルが放映されていた。16年か・・・テロが発生した日は留学1年目で、火曜の朝2コマが終わった後にいろいろ知った当時のことを思い出す。
 妻と1時間弱テニスをした後、午前中は大学のオフィスで作業。新しい部屋へパソコンを持参したが、Wifiがやや不安定で同時にいろいろなことがオンラインでできない・・・。ひとまず、以前この部屋を利用していた先生にメールしてみる。でも角部屋で静かで棚があるのは感謝。明るさも良い。
 午後、妻とともに購入した車を取りに行く。予定より15分ほど遅れて自動車販売店に行ったが、担当の方が前のお客さんの対応で長引いており、実際に話ができたのは3時半ぐらいだった・・・。
 待っている間に、待合室に置いてあった経済誌Fortuneを読む。この雑誌では毎年全米トップ500および世界トップ500の企業が掲載されており、授業でも時々触れていたが、きちんとリストを冊子で見たのは初めてだった。大学生にとってアメリカの大手企業はメーカーや外食関係以外だとなかなか思いつきにくく、同時に日本の三大都市圏ほど分布が偏っていないので、いつかこれを授業でもう少し掘り下げたいと考えていた。毎年出している雑誌だし、様々な分析もしているので、これをもとに空間的な変化を追ってみたいと思う。完全な二次資料依存型の研究になってしまうが、アメリカの経済地理的な基礎を把握するうえで悪くないテーマだと思うが、どうなるだろうか・・・。
 ようやく担当者がやってきて、説明を受ける。今回我々が購入したのはマツダの3(日本のアクセラ?)。業者側がナンバープレートや登録も準備してくれて、準備は万端。スノータイヤもついてくる購入なので、冬に向けても一安心。私が求めていたハッチバック付だけでなく、音響にBOSEのスピーカーがついていたり、シートが合成皮?でできていたりと、高級感があり良い。無事に住まいまで運転し、一件落着。レンタカーも返却できて良かった。保険関係も手続きがほぼ終わり、少しずつ前進した感じ。
 夜は夕食後に長寿クイズ番組"Wheel of Fortune"と"Jeopardy!"を観る。留学時代は夕方に一度帰宅し、夕食を作って食べてJeopardy!を観て、新聞に目を通してから院生室に戻るのが日課だった。結婚後は家で仕事をするようになって久しい(ただ今でもたまに夜研究室へ行き、そこで夜を過ごすこともある!)が、夜の安定した時間の過ごし方も大事にしたいと思う。

                            • -

9/12 (Tue)
 朝のテニスはお休み。朝食後、自動車購入後1週間以内に義務付けられていたマサチューセッツ州の車検に行く。新聞を読んだりiPad miniをいじりながら(今回の渡航前に携帯ショップへ行ったところ、変更のなりゆきでiPad miniを持つことになった・・・)、作業完了を待つ。1時間ほどで完了、どこも問題がなく安心。
 午後は図書館の研究室へ。いろいろ読んだり、コメントしそびれていた内容に対応したり、記録を書いたり。
 妻と話し合い、夕食は午後6時からとすることにして、それに間に合わせて帰る。夕食や読書などにじっくり時間が使えるのはとても大切。職場から徒歩10分の距離に住んでいるのにもかかわらず、なぜこれが日本で出来なかったのだろう、と思う。妻が言うには、私は「残業しがちなタイプ」らしい。少なくともここにいる間は、それを改善する生活をしたいと思う。

9/13 (Wed)
 今朝もテニスはお休み。朝食後、そのまま図書館地下のオフィスへ。日本から持ち込んだ資料とそのコメントを執筆。前夜に某国際誌の特集号への投稿掲載がほぼ確実になったという知らせを受けて、今一度文章や資料を読み直す。なんだかんだと仕事をしているうちに夕方に。結局昼食を取らないまま時間が過ぎた。本年度の春学期は体重の減量を目指し、いろいろ考えた末に「可能な場合は昼食をやめ水を飲むだけにする」ことを実施し、それで4−5kg減量することに成功したが、アメリカに来てからの今学期は授業担当がないのでキャンパスを歩き回りカロリーを消費する機会も少なくなるし、昼食抜きを再びやってみようかなと思う。
 夕食&クイズ視聴まではいつもどおり。溜まっていた新聞を読んでいたが、NY Times日曜版のスポーツ欄にあったNFL選手Colin Kaepernickに関する記事を読み、いろいろ新たに知る。本人が取材拒否していたにもかかわらず、生い立ちから現在までの流れに対してよくここまで調べ上げたなぁと感心。アメリカでは通常様々なイベントの開始前に国歌斉唱が行われ、その際には観客も選手も関係者も皆起立して帽子をとり、胸に手を当てて聞くことが求められているが、彼は昨年NFLの試合で国歌斉唱時に膝をついたまま静止し、起立して胸に手を当てることを拒否したことで大きな話題になった。それは彼が現在のアメリカで人種問題をはじめとした様々な社会正義の欠如(なくならない不平等・不公正)への反発として行っていたジェスチャーであり、それに共感した選手も多くいた。しかしながら、シーズンが開始した今年のNFLにおいて、彼はまだどのチームとも契約していない。もちろん彼のケガの快復を待っているという見方もあるが、それ以上に大きいのは、NFLのオーナー陣がアメリカのどのプロスポーツよりも保守的で白人的である、ということである。
 記事によれば、NFLオーナーに共和党支持者が多い現状では、明確な政治的意思とともに抗議活動を行う彼と契約することに積極的なチームは皆無なのではないか、とのことだった。日本で言う「干された」状況なのだろう。日本のスポーツも決して対岸の火事ではないが、残念な話だと思う。

                            • -

9/14 (Thu)
 今朝は一人でランニングに行く。テニスコートを越えた先に、旧鉄道路線跡を自転車や散歩用のトレイルにした場所があり、そこへ入ってしばらく走ってみる。以前自転車で通っていたので、エリアの雰囲気はわかっていたが、走ってみるとやはり距離はある。片道約2マイル(3.2km)を行き、引き返す。ペースは約5分40秒。ランニングは久しぶりだったので、太股に筋肉痛が出てくるが、良い汗がかけた。
 朝食後に図書館オフィスへ。NY州の某大学で教えているYさんからメールをもらい、近況報告を書く。また、研究仲間から依頼された英文アブストの校正や、掲載が近付いてきた共著論文の読み直し。文章にやや繰り返しが多いのが気になるが、載せてくれるのならありがたい。自分のライティングをここで再び向上させておきたいところ。合間に、別の資料へのコメント書きを終える。週末にどこへ行こうか考えてエリー運河沿いの史跡を探したが、意外にないようで残念・・・。
 夕食&TVまではいつもどおり。留学時代の先輩にあたるJohnに再び電話してみたところ、しばらくしてからかかってきて、いろいろ話す。4月にボストンで開催されたAAG(アメリカ地理学会)以来かな。彼と電話で話しながら、クリーブランド・インディアンズが22連勝をかけて戦っている試合が中継されていることを知り、テレビのチャンネルを回してみる。ちょうど9回で1点差で負けているところだったが、その後に同点打が出て延長戦へ。延長10回にサヨナラヒットが出て22連勝を実現。勝ち始めたのは8月23日だそうで、我々の渡米前。すごいなぁ・・・。

                            • -

9/15 (Fri)
 朝の運動はお休み。普通に大学へ行き、論文修正や依頼された英文チェック、読書。その他、詳細は失念。

ニューイングランド生活 第2週

9/4 (Mon)
 Labor Day(勤労感謝の日)。朝、近くのコートで妻とテニス。心地よい環境に感謝。テニスをするのは何年ぶり?いつ以来?という感じだが、なかなか楽しかった。
 レンタカー関係や免許関係の手続きを進め、夕方に大学の新学期開始・始業式にあたるConvocationを観に行く。演奏や合唱、正教授に昇任した先生方のお祝いなどもあったが、何より学長のスピーチに感銘を受けた。過去の学長の言葉を引用しつつ、表現の自由・学問の自由に言及し、新入生にその重要さを保障しつつ、現政権の動向に触れてDACAの変更があっても学生を守ると宣言。何度か総立ちで拍手が起きた反面、完全に下を向いたままの学生集団もいた。政治的な発言で賛否は分かれるかもしれないが、学生へのメッセージ性としては大いに考えさせられる機会だったと思う。

                                                                      • -

9/5 (Tue)
 前日に続き、朝テニスをする。動きはバスケほど多くないものの、ラケット競技もやりだすと楽しい。今後も朝の運動として続けていきたい。
 大学の施設課に相当する担当者から連絡を受けていたので、新しいオフィスの鍵を取りにいったものの、実際には鍵が機能せず。うーん・・・残念。仕方がないので、仕事は主に家で行う。午後に土曜見た車を再び見に行き、検討の結果M社の車を買うことにする。予算は当初の想定よりも高くついたが、1年後に買い取ってくれる話になっているので、うまく事故のないまま来年へつなげたい。

                                                                      • -

9/6 (Wed)
 雨模様のため、テニスは中止。鍵の調整結果は連絡がないまま。先週の事故後の処理と進捗状況をレンタカー会社に問い合わせても相変わらず反応がなく、頭が痛い。
 この日も運転免許や車関係の情報に目を配りつつ、家で作業。プリンタや諸々の環境も安定し、作業が少しずつ進む。A4用紙がアマゾン社で売っていることを知り、便利になったものだとしみじみ実感。我々は1年後には帰国するため、日本向けの書類はA4でまとめておく予定。それにしても、マサチューセッツ州は運転免許取得へのプロセスが非常に慎重。面倒ではあるが、こういう作業をこなしながら「現地に慣れていく」ものだなとしみじみ感じる。

                                                                      • -

9/7 (Thu)
 午前中に雑用を終えてから、Holyokeの社会保障管理局(Social Security Administration (SSA))へ。初めてSSAへ行ったが、幼いころに親の都合で気づいたらアメリカの社会保障番号Social Security Number (SSN))を貰っていた(つまり留学時に申請作業と無縁だった)自分には、今回の訪問が新鮮な経験だった。読書をしつつ周囲を観察、いろいろ気づかされる。妻のSSN申請(結果的に却下)には1時間半ほどかかり、終わってHolyokeのファーマーズマーケットを軽く回り野菜を少し買ってから帰宅。途中で通ったMt. Holyoke Collegeは綺麗なキャンパスだった。
 大学に戻ったが新しい鍵が入手できず、学内のオフィスでの作業は諦める。主に読書と免許系学科試験の勉強。問題の数をこなしていくといろいろ州の交通規則の詳細がわかるが、10代のドライバーに関する諸々の罰則は初見で全くわからず、その点は学ばないと知らない初めての知識だった。免許取得者は10代の申請者が多いので、10代ドライバーの違反に対する厳罰性を強調しようとしているのだと思う。夜は主に読書。眠くなって早く寝る。

                                                                      • -

9/8 (Fri)
 朝、妻とテニス。無人に近い広大なコートが徒歩数分の距離にある恵まれた環境に感謝。大学に戻って新しく調整してもらった鍵を受け取り、図書館のオフィスで使えることを確認してから、アジア言語文明学科事務室に届いていた書籍等の荷物を図書館のオフィスに運び、整理。時間がかかったが、ようやく仕事の環境が整った。
 家に戻り、マサチューセッツ州のウェブサイトで申請書の作成を終えてから、前週に口座を作った信用組合で一作業済ませた後に、Easthamptonにある自動車登録局 (Registry of Motor Vehicles (RMV))へ。必要書類を提出して1時間ほど待たされてから、同州の仮免許取得のための学科試験を受ける。事前にその手のウェブサイトで勉強を重ねていたので、一発で合格し、一安心。次は実技試験。州独自の制度であろう、スポンサー(同行者)をうまく見つけられるかが気になるところ。帰りに自動車販売店に寄って、車両購入に関連する書類作業を終えて帰宅。アマーストセンターにあるOriental Flavorで夕食をとった後、ダウンタウンのLiquor shopでビールやワインやバーボンを購入し帰宅。夜はひたすら読書。

                                                                      • -

9/9 (Sat)
 朝食後、準備を整えてから二回目の遠出。今回はマサチューセッツ州北西部を訪ねる。一旦国道202号に出てそこから北上し、給油のあとにOrangeという町から州道2A号を東に進む。Mohawk Trailという名のついた街道で、いくつも小さな町を通過しながら進む。途中Shelburne Fallsという町で花の橋を歩いたり氷河が浸食した岩を見たり、North Adamsの北側にある斜面近くで大理石の天然の橋(Marble Bridge)を見たりしながら、お目当てのマサチューセッツ州現代美術館(Massachusetts Museum of Cotemporary Arts (Mass MoCA))へ。入場料は高めだったが、年間会員になるとお得な様子だったので、妻と二人で年間会員に登録した。私は美術関係があまり得意でないので、あまり深く考えずのんびり歩きながら見るようにしたが、中身が多く圧倒されたまま時間を過ごした。
 美術館の展示を全て観ることができず、一度戻ってまた明日来るのも大変だったので、この日はNorth Adamsで宿泊。美術館自体は昔の電気機械工場の跡地を回収して設立されたもので、いわゆる地域おこし・歴史的建造物の保存ともつながる施設。美術館の建物の端には地ビール醸造・販売店があり、妻とここで夕食を取る。North Adamsのようにこじんまりした街はいいなぁとしみじみ感じた。

ニューイングランド生活 第1週 後半

8/31 (Thu)
 朝8時過ぎから再びレンタカー会社のカスタマーサービスに電話するが、「ボストン空港営業所でないとレンタカーの契約はキャンセルできない」言われる。前日電話した牽引業者に再び電話してみたところ、「レンタカー会社が事故車両を引き取っていった」というので、意を決して妻とボストンへ行くことにする。
 我々の所在の大学町からボストンへは車で約2時間少々。市内の道でやや迷い、先にホテルへチェックインして車を置いてから、地下鉄で空港へ、数日前に来たレンタカー営業所を再訪。人員不足なのか、営業所内では常に人が並び皆苛々していた。私は私でこれまでの事故や対応を説明、予定分のレンタルをキャンセルして初日の分だけの請求に変更するよう要求するが、担当職員からは「事故車両が牽引されたハートフォード空港(コネチカット州)でないとレンタルがキャンセルできない」とトンデモな回答を得る。いろいろ交渉したが話が進まないので、不在の上司へのメール連絡にccしてもらい、ここでやりとりを終える。
 ここからハートフォードへすぐに運転する気にはなれなかったので、気を取り直す思いで妻とともにボストン市内を少し歩く。Quincy Marketでクラムチャウダーとロブスターサンドイッチを食べた後、Frontier Trailの道に沿ってダウンタウンを歩き、景観を観察。ダウンタウンは思ったより坂が多く、古い建物も趣があって興味深い。ボストンコモンまで歩き、チャイナタウンまで抜けてから地下鉄でホテルへ戻る。二人とも疲れていたからか、ホテルに戻ってすぐそのまま寝てしまった。

                                                                      • -

9/1 (Fri)
 ハートフォード空港へ行くのは午後に回し、午前中はボストン市内を観光。ガイドブックに載っていたAfrican American Heritage Trailに沿って歩くが、アメリカの他の都市では見ないような細い路地の連続にビックリ。たくさん写真を撮ったが、うまく撮れていることを願いたい。ちょうど月初めの日だったため、引越し中の車や引越しに伴う廃棄物があちこちで見られた。多くの建物は部屋が細く高そう。家具を入れるための引越しも大変だろうなぁと思う。トレイルを歩いた後、Haymarketの青果物市場を観に行き(明らかに業者中心・かなりの低価格)、ここでチェリーを買ってから、チャイナタウンへ。妻が目当てとしていた中華料理店で昼食を取り、満腹。
 地下鉄で宿に戻り、ここから車でハートフォードへ。約2時間半で着き、有料駐車場に停めてからレンタカー営業所へ行くが、ここでも「事故車両は当地に届いていないのでレンタルはキャンセルできない」と言われる。まさに堂々巡り。レンタカーのH社がこんなに酷いとは思わなかった。ボストンの営業所へ電話させても連絡は通じず、話が進まない。またメール&電話攻勢しかないか・・・と諦め、拠点の大学町まで戻ることにする。車で約50分ぐらい。酒屋でビールを買い込み、4本ぐらい呑んで寝る。

                                                                      • -

9/2 (Sat)
 前日の疲れがあり、朝はすぐに始動できず。午前中、近くのファーマーズマーケットへ。きちんと記録はしなかったが、出店者数は20軒前後か。野菜、花卉、果実、肉類、乳製品、雑貨などいろいろな物が売っていた。都市の規模に対してまずまずのサイズではないだろうか。日本人の出店者(農業者)がいたのはビックリ。もう10年ほど販売しているとのこと、一度農場を訪ねたいと思う。
 午後は1年間使うための車を観に行く。1軒目に行った店はあまりやる気がなさげ。2軒目の方が真剣に話を聞いてくれて、熱心に説明してくれた。いくつか候補を決め、予算を考えて出る。リースよりも購入の方が現実的であることを知る。さぁ、どうしたものか。レンタカー会社の関係者へメール催促したものの、状況は変化せず。困ったものだ・・・。夜は久々に大学フットボール(アメフト)をTVで観戦。

                                                                      • -

9/3 (Sun)
 雨模様の一日。晴耕雨読CVSNew York TimesBoston Globeの日曜版と雑貨を買いに行き、それ以外は家で過ごす。Boston Globeの1面に載る記事はどれも読みごたえがあり、いろいろ考えさせられる。日本にいるとなかなかこういう時間が持てていないことを実感。今の機会を大事にしたいと思う。