ニューイングランド生活 第6週

10/2 (Mon)
 朝、起床後にiPadミニを起動して、ラスベガスで乱射事件があったことを知る。今までにない規模の乱射事件。どうなるのかな・・・と心配。友人の夫は「今アメリカで一番危ないのは中東のテロリストではなく、トランプ政権支持者の白人男性だ」と言っていて、妙に感心する。長男がスクールバスに乗って学校に行くのを見届けた後、我々も出発。ここを訪ねて良かった、友人一家皆に感謝。
 メイン州の有料高速道路に乗り、そこからニューハンプシャー州を少し抜けて、マサチューセッツ州へ。事前の検索では3時間半かかると書いていたが、給油と昼食休憩の時間を除くとそれより少し短いぐらいだったかもしれない。段々自分の車の運転にも慣れてきた。やや馬力に欠けるため、この車で大陸横断ができるかはわからないが、1年あちこちへ乗っていきたいと思う。
 昼過ぎに帰宅し、図書館のオフィスへ行って仕事。溜まっていたメール対応や新しい書きものに着手。そのまま夜までオフィスで過ごす。

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10/3 (Tue)
 朝、家の諸々に対応。妻が外出時に鍵を持参し忘れたのでどうしようか迷った末、普通に出勤して取りに来てもらう。
 日中は終日図書館のオフィスで仕事。いろいろな文章に目を通し、メモを続ける。書く仕事が少し遅れ気味。学部長からメールが届き、意味深な件名でドキッとしたが、内容は厳しい話でなく笑みがこぼれる。ぼちぼち科研の申請書に手をつけ始める。

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10/4 (Wed)
 朝、テニス。大分うまく打てるようになったが、眼鏡でプレイすると時々距離感覚がずれるのが難点。途中、テニスコートの落ち葉掃除をしている施設担当者の車が入ってきて、風を吹かせながら落ち葉をコートの隅に集めていった。ホウキで掃いていく日本人の作業とは大違い。合理的というか、エネルギーの無駄というか・・・。
 日中は溜まっていた文章を読んだり、メールの対応をしたり、データ記録を見直したり。マサチューセッツ大学の夜間ESLに通っている妻を迎えに行った後、二人で自宅呑み。こういうじっくり話せる時間が今あることに感謝。

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10/5 (Thu)
 前夜のワインが影響したのか、久々に少し二日酔い気味。交通事故の後処理を担当する保険会社からメール、すぐに賠償してくれるだろうか・・・。いろいろ読み続ける。

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10/6 (Fri)
 朝、いつものようにオフィスへ向かうと、図書館の入口に「午後5時に閉館する」と書いてあり、ビックリ。秋休み前の金曜であることに気づく。
 日中はいろいろ読んだり連絡したり。日本から学部留学しているYさんがオフィスを訪ねてきて、しばし雑談。秋休みといってもピンとこないのが正直なところ。午後5時に閉館のアナウンスがあり、帰宅。妻といろいろな話ができる夕食の時間があることは本当に感謝。

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10/7 (Sat)
 数日前に続き、若干の二日酔い。テニスをしたかったが、天気が悪く断念。週末にどこへ行こうかいろいろ話していたものの、アイディアがまとまらず。ひとまずダウンタウンファーマーズマーケットへ。野菜や地元産ワインなどを購入。
 日中は家事や読書が中心。地元紙Boston Globeや別途で購読しているNew York Timesのライティングスタイルにも随分慣れてきた気がする。ここで掲載されている記事を利用しながら授業ができればなぁと思う。

10/8 (Sun)
 ハリケーン・ネイトが北上していたため、10月の割に暖かい一日。バスケットボール殿堂が住まいからそれほど遠くないSpringfieldにあることを見つけて気になっていたので、本日はここへ行くことにする。
 車で1時間弱の距離だが、高速はいつもなぜか混雑気味。車間を詰めて運転する人が多く、合流時は必ず渋滞ができる。なんとかならないかな・・・と思えてならない。Yelpで検索したらベトナム料理店が複数あったため、バスケ殿堂へ行く前に昼食をそこへ食べに行く。妻はフォーを、私はシーフード系の麺を、どちらも美味しくいただく。ベトナム系の店が集積していたので、その理由を聞いてみると、かつてコダックの工場に務める人が多くいたことが関係しているとのこと。しかしコダックは人件費の安い南部州へ移転してしまい、ベトナム系の人口も減少している様子。
 昼食後、若干ルートに迷いながらもバスケットボール殿堂にたどりつく。あまり伝統を感じられなかったのは、2002年に新設されたことと関係しているのだろう。入場料が大人24ドルとやや高かったが、行って良かった。入場して3階まで上がってから、バスケの歴史や殿堂表彰者の展示をゆっくり歩きながら見たが、懐かしい顔ぶれがあれこれあってとても楽しめた。自分が本格的にアメリカでバスケを観はじめたのは1989-1991年ぐらいの十代アメリカ滞在時から。高校・大学とバスケ部にいたので、帰国後もNBAの動向を追っていた。大学院に入って少し御無沙汰となったが、博士課程でケンタッキー大学大学院へ留学してからは全米の大学バスケに関心を持ち、結構いろいろ観ていた。留学を修了して帰国したのが2007年末。それ以降、次々と新しい選手が出てきて現在に至っている。現在現役で活躍している中で大学時代から知っているのはKevin Durantぐらい。滞在中はじっくりバスケをみたいと思う。
 展示はNBA選手が中心かと思っていたが、実際にはNBAの名選手や名監督だけでなく、大学バスケの監督、女子の選手や監督、そして高校の監督やチームなども紹介していた。そこそこアメリカのバスケに馴染みがある人なら、懐かしさや新たな発見がたくさんあってじっくり展示が楽しめると思う。丸々2時間ぐらいかけてゆっくり展示を見学して、1階のバスケコートで少しシューティングした後、マイケル・ジョーダンのインタビューを上映していたのでそれを観に行く。久しぶりに観たジョーダンは、昔の記憶よりも声が高く、そしてわかりやすい南部訛りで話していた。現役時の三連覇、突然の父の死、大リーグ(MLB)に挑戦した後、再びNBAへ復帰して三連覇を達成した輝かしい記録は、懐かしい映像が満載であった一方、彼の話をこれだけたくさん聞けたのは初めてだったので、とても興味深かった。ジョーダンファンにはぜひ勧めたいと思う。
 上映が終わってから再びコートに戻って少しシューティングしていたが、閉館時間の午後4時になり、皆追い出される。売店でバッシュとボールが入る中型のバッグを15ドルで買い、満足満足。あとはのんびり運転して帰る。以前ファーマーズマーケットで買った丸鶏の煮込みを妻が仕込んでいて、それを夕食に美味しく食べる。夕食の時間がじっくり持てている今を大事にしたい。