ニューイングランド生活 第17週・第18週

12/18 (Mon)
 この日からホスト大学は試験期間に入ったが、自分に影響することもなく、通常通り。特筆する事項の記憶なし。

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12/19 (Tue)
 特筆する事項の記憶なし。受け取るはずの郵便物(グリーティングカード)が自宅に届かず、送付元と運送業UPSに電話していろいろアレンジした日。その後も何度か交渉と確認が続き、結局ブツが届いたのは22日だった・・・。

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12/20 (Wed)
 特筆する事項の記憶なし。すみません。

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 12/21 (Thu)
 オレゴンの某大学に派遣留学している教え子のOさんが、友人と共に我々の元を訪ねるとのことで、それにあわせて動いた一日。彼女は飛行機のJFK到着やバスターミナル到着が遅れて、我々の近くに来るのも遅くなり、午後3時ぐらいにコネチカット州ハートフォードのバスターミナルへ迎えに行く。初めて会うMさんを含め、元気そうで何より。我々の住まいまで案内し、車中でいろいろ話す。夜はホスト大学へ留学中のYさんも合流し、市内のレストランで夕食。皆前菜やメインをどう頼むか、何を呑むかで食べ方も変わるなぁとしみじみ実感。帰宅後にもう少し皆で呑んだ後、この日はお開き。

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12/22 (Fri)
 朝、現在のホスト大学やダウンタウンを案内して回る。寒い一日、防寒具が欠かせず、このあたりから寒波が始まったことを今思い出す。市内を案内した後、興味があるというマサチューセッツ現代美術館(Mass MoCA、我々が9月に行った先)へ運転していく。パイオニアバレーを西へ越えてからは見事な雪景色。美術館で彼らが鑑賞している間に私は読書したり軽食を撮ったりとのんびり過ごす。
 3時間ほど楽しく鑑賞を彼らが終えた後に、雪景色のNorth Adamsから再び戻る。妻にメールで確認したら我々の街も雪が降り始めたとのことだったが、戻った頃にはまさに積もっていた。景色は綺麗でも、雪があると運転などで緊張が増す。
 夜はOさんらの紹介で、ハートフォードへクリスマスキャロルの演劇を観に行く。私はこのストーリーの名前しか知らず、初めて劇で見たが、なかなか興味深かった。有名なクリスマス映画"It's A Wonderful Life"ともメッセージは重なるのかなと思う(クリスマスキャロルの方が歴史は古いが)。夜7時半の開演で、その前に近くのピザ屋で腹ごしらえをして臨み、夜は9時半過ぎに終わって帰宅。展示物を見ていると、市内で何年も前からやっているイベントらしく、こういう文化的な継続は学ぶことが多いなと思う。

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12/23 (Sat)
 朝に準備して出発。Oさんたちも我々もクリスマス連休をニューヨークで過ごす予定で、バタバタと用意しながら出発。前日からの雪と降雨で運転環境があまり良くないなか、彼らをハートフォードのバスターミナルまで送り、そこで一言告げてから別れ、我々は車で南下。New Haven駅隣の駐車場に車を停めて、以前と同じくGrand Centralへ電車で向かう。妻にとっても初めての旅路だったが、電車に乗る前に駅で昼食をとったからか、我々は二人ともNYCまでぐっすり寝ていった。
 Grand Central駅に着いた後、歩いて宿へ。予約していた宿の場所を同一チェーンの別店舗と勘違いし、余計に歩いたものの、無事に着く。寒波が続いていて徒歩が長くなると寒くなる。宿にチェックインした後、まだ明るかったので、少し遅くまで開館中と聞いていたメトロポリタン美術館へ行く。元々私はそれほど美術館が得意ではなく、あれこれ展示を見るたびに圧倒されて休憩が必要になるが、この時も休み休みしながら展示を見て回った。やはり有名なだけある美術館だなぁと感嘆。ただし、エジプトなどの古代美術品展示は植民地主義の収奪と重なる問題なだけに、あまり楽しめず他の展示鑑賞へ移っていった。
 夜8時半過ぎまでここで鑑賞した後、地下鉄に乗って宿まで戻り、最寄りの評判が良い店へ行って夕食。メニューは多くなかったが、美味しくいただく。芽キャベツ(Brussels sprouts)の美味しさに初めて触れ、妻と二人で感激。今まできちんと食べたことがあまりなかったが、これはなかなか興味深い食材で、発見に感謝。 

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12/24 (Sun)
 疲れが溜まっていたため、遅い起動。妻が出かけている間に、宿で年賀状兼年末年始挨拶カードの執筆&発送を始める。
 市内の近場を歩いた後に、総合郵便局で葉書用切手を大量に購入した後、いわゆるLower Manhattanを歩く。Sohoを歩いた後にYelpでコメントが多かったCafe Habanaで昼食を取り, Little Italyや中華街を歩き、ここからWTCのビルへ歩いてみたが、現地は長蛇の列。ビルの上まで上がって展望するのを諦め、前日行った美術館を再び訪ねる。有名なセントラルパークを横切って行ったが、寒波の影響で徒歩が寒かった。この日は夕方5時閉館だったため、4時半過ぎまでじっくり回ってみる(それでも見逃した展示は多々あった・・・)。
 夕食は宿泊先からあまり離れていない位置にあった韓国料理店へ。予約はしていなかったが、無事に入れた。妻とメリークリスマスを祝い、馴染みある味に舌鼓を打つ。これは我々の住む街にはないような店なので、行けて良かった。

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12/25 (Mon)
 メリークリスマス。前夜と朝は年末年始グリーティングカードの一言添えに勤しむ。住所用のラベルは用意してあったが、サイズが若干異なりハサミで調整。今年は例年より枚数を減らして用意したが、あとは無事に先方へ着き、それが喜んでもらえるよう祈るばかり。
 午前中は市内を歩き回る。抹茶ブームとは聞いていたが、実際にそういう店を各地で見つけて、途中でお茶をいただいた。この日は主にニューヨーク市南部(Lower Manhattan)を歩くため、地下鉄で南下。チャイナタウンで妻が目星をつけていた店が飲茶の雰囲気でなかったため、私がワガママを言って他を回る。細い点心系の店に入って美味しくいただいたが、乱暴な相席やカウンター着席はここならではのやり方だった。
 昼食をとったあと、引き続き街歩き。ブルックリンブリッジへ行き、約3分の1東へ渡る。しばらく前にブルックリンブリッジの交通渋滞が著しいという記事をNew York Timesで見かけたが、たしかにそれがわかる場所。こんなに観光客が多いとは思わなかった。古い橋ゆえ、それほど観光客が徒歩で渡ることも設計上は想定されておらず、歩いているうちにやや高所恐怖症的な不安が出てくる。適当なところで妻とともに折り返し、全部渡るのはまた後日へ後回し。寒波の影響でこの日も寒い一日。
 地下鉄でハドソン川方面へ。Chelsea Marketが閉まっていたので、カフェで少し暖まったあと、旧鉄道路線のHigh Lineを歩く。風が強く寒かったが、晴れていたので写真はいろいろ撮れた。もう少し季節が良ければ観光名所としても秀逸なのだろうが、あまりに寒かった・・・。14th Streetから30th Streetまで歩き、ここで十分満足。宿に戻って少し休み、カードの執筆を続ける。
 クリスマス当日のため、夕食はどこが開いているかわからず、日が暮れた後に街を散策する。幸いシーフード系の店が開いていたので、夕食はこちらにて。好きなJambalayaを食べられたので満足。

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12/26 (Tue)
 朝、妻がもう少し美術館を観たいとのことで、別行動に。私は宿をチェックした後、カフェテリアのスペースで黙々と遅ればせながらカードにコメントを書き、13時半ぐらいまでだいぶ書き終える。
 妻とGrand Centralで待ち合わせ、インド料理の昼食を駅構内でとった後、New Haven行きの電車に乗り帰路へ。約2時間の電車も毎回あっという間に寝ていて過ぎてしまう。New Havenへ無事に着き、車で北上して1時間40分ほどで帰宅。マサチューセッツ西部では不在時に雪が降り積もったことを改めて知る。

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12/27 (Wed)
 朝、大学体育館に行ってみて、バスケがどこでやれるかを初めて確認した。規模は大きくないが、シューティングできるだけでもありがたい。また時々来たいと思う。
 午前中、雪景色を確認するため、妻と散歩。たしかに雪や氷は綺麗だったが、あまりに寒く早々帰宅。
 日中は年末年始のカード書き&読書。今回は写真を我々が決めて、デザインはデフォルトのものをアレンジして使ったが、気にいってもらえるかな・・・。夜は妻と呑みながらいろいろ話す。この日でニューイングランドへ来てからちょうど4カ月。月日の経過は早い…。 

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12/28 (Thu)
 午前中、残っていた年賀状と追加分を書き終えて発送。一応無事に終わって安心。例年340枚前後送っていた者を今年あ200枚程度に絞ったが、SNSの普及もあり私が海外にいることを知る人も多いので、今年の未送付は理解してもらえたらと願うところ・・・。夕食は残り物で。休肝日。

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12/29 (Fri)
 寒波は続き、朝からマイナス10度以下と冷え込む。この日からボストンで年越しをするため、諸々準備。パッキングやメール対応を終え、10時過ぎに出発。
 ボストンに行く前にWorcesterへ。11時半過ぎにWorcesterに着き、留学時代から知っていたZinaと夫のRobertに久しぶりに会い、昼食を共にする。店自体はやや変な場所にあったが、カリブ海地域のベジタリアン料理を提供する珍しいものだったので、着席して食事しながらいろいろ話す。彼らも結婚後もうすぐ10年か〜。Robertに会うのは久しぶりだったが、元気そうで何より。Zinaには留学最終年に半年だけ住む場所が見つからず困っていた時に助けてもらった。当時の思い出や近況などをいろいろ話し、13時前に別れる。
 我々はここから高速道路(I-90, Mass Pike)に入ってボストンまで運転、予約していたBrooklineの宿まで一気に向かう。ボストン市内方面への運転もだいぶ慣れてきた。14時過ぎに宿にチェックインして、まだ時間があったので、ボストン美術館(MFA)へ行ってみる。入館料を検討し夫婦ペアで年会費会員となることにした。妻がMark Rothkoの特別展を観たいとのことでまずそれを観に行き、その後に村上隆の特別展も観て、あとは個別に移動。アメリカの絵画を観たくて回ったが、初期アメリカ史に出てくるハミルトンやワシントンの絵が展示されていたのが印象的だった。
 6時半過ぎまで美術館で過ごし、宿の方面へ戻る。ボストンの地下鉄(通称"T")利用に便利なチャーリーカードの販売店を調べて帰路で購入し(今までなかなか見つからなかったがようやく買えた…)、Coolidge Cornerにある店(Prairie Fire)で夕食。数日前のボストングローブ紙に紹介されていた店で、少し待たされたものの、美味しく呑み食べることができた。スーパーのTrader Joe'sに寄ってビールと菓子類を買いこみ、宿に戻って二次会。帰宅時は電光掲示板で華氏7度(摂氏マイナス13度)と表示されていた。外は寒い・・・。クリスマス後の年末は大学フットボールボウル戦の時期で、夜は部屋でTV観戦。コットンボウルは全米5位のOhio Stateが同8位のUSCを粉砕、もう少し接戦になってくれたら面白かったのだが仕方ない。 

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12/30 (Sat)
 朝、身支度をしてからボストン市内北部のイタリア人街へ。妻が調べて見つけた店へ、朝食兼昼食を取りに行く。今日も摂氏マイナス10度以下で寒く、数分の徒歩も辛い。
 行った先は一見何の飾りもない店だったが、中に入ると既に10人以上の列ができていた。どうやら生粋のイタリア式Calzoneやピザを売っている店で、派手さはないが価格は良心的。現金決済のみとしているところに、昔ながらの人気店という印象を持った。ホウレンソウとチーズとひき肉が入ったCalzoneが絶品。地元の人が知る穴場的な店だと思う。
 食後、近くの菓子店で妻がスイーツを購入した後、昨日に続いてボストン美術館へ。私は昼食を食べ過ぎたせいか、美術館に着いてからソファに座ったまましばらく寝てしまう。美術館鑑賞はこの日も単独で分かれて行い、私は主に19世紀のアメリカ絵画や近世のヨーロッパ絵画を鑑賞した。途中で火災報知機が鳴り、全館で避難指示が出たのも御愛嬌かな。書店も観たが、先日行ったニューヨークのメトロポリタン美術館に比べて地域史的な書籍がなく、地図関係の書籍もなくて残念。
 16時半ぐらいまで美術館で過ごしたあと、少し早かったが夕食のため近くにあるオイスターの店(Eventide)へ。ここも妻が調べて見つけた店で、カウンターで注文した後に料理を別のカウンターで受け取る斬新なスタイル。名物の牡蠣はメイン州マサチューセッツ州から5種類ずつ用意してあり、それらがカウンターで見えるように陳列されていたので、私と妻で貝殻を見ながら種類を選び注文。産地の違いでこんなに牡蠣の見栄えも異なるとは知らなかったし、小さい牡蠣でも味が濃厚であることがわかるなど、とても興味深かった。結局妻と私で4種類を半ダースずつ全部で2ダース(24個)食べたが、どれも旨い!生ガキを美味しくいただく。この店はチップをとっていなかったため、声をかけてきたウェイターさんに聞いてみると、皆その方針に喜んでいるとのこと。チップ制は長所もわからないではないが、長期的にはない方が良いだろうし、今後アメリカ国内でどう展開するか見守りたい。新規の人気店でチップ制を廃止する方向が続くと、次第に普及するのではないかと思う。今回の店はメイン州ポートランドの店がボストンに進出した二号店だったらしいが、立地も悪くないし、ぜひ成功して欲しい。
 店を出てFenway Parkの横を通り、Kenmoreの駅前で見つけた酒屋でビールを買い足し、宿へ戻る。前夜に続き、大学フットボールの試合をTV観戦。全米7位のPenn Stateと同9位のWashingtonが対戦したフィエスタボウルはそこそこ接戦になったが、最後はPenn Stateが勝利。全米6位のWisconshinと同10位のMiamiが対戦したオレンジボウルはWisconsinが少しずつ差を広げて勝利。生産的でないと自覚しつつも、こういう時間が過ごせるアメリカ生活に感謝。滞っていた日々の記録も、試合を観ながら書きあげていた。

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12/31 (Sun)
 前夜遅くまで起きていたため、朝は遅めの始動。用意してからダウンタウンのチャイナタウンへ行き、飲茶を食べに行く。妻にとって初めてのカートワゴン移動式の飲茶。私はこれを食べながら、10代に過ごしたサンフランシスコでの日々を思い出していた。本当に時折ではあったが、今は亡き実父は母そして私を含む4人の息子を広東系の中華料理店(Hong Kong Flower)へ連れていってくれ、私はその際に食べた飲茶で骨付き豚肉の煮付が大好きで、回ってくるワゴンから何度も取って食べていた。しかし、決して家計が健全ではなかった当時、小学校から中高まで食べ盛り4人の息子を飲茶へ連れて行ったのは、料金も高くついて大変だっただろう。結局諸々の事情で両親は後に離婚し、我々も帰国したため、アメリカで食べる飲茶はそれきりとなっていた。日曜ということもあり、この日の客入りは満員にまではなっていなかったが、料理や雰囲気はいろいろ昔を思い出させる機会でもあった。
 飲茶で満腹になった後、妻は買い物へ。私はスタバで読書しながら過ごす。妻の買い物を終えてから二人でボストン市内を散策。ただ、非常に寒く、市の中央公園(ボストンコモン)へ行くと大晦日の恒例イベントである花火が中止となっていた。それほど酷寒なのか・・・と実感。コモンを歩いていると二人とも寒さに耐えられなくなり、ショッピング街にあったNordstrom Rackに入って暖を取る。トイレの洗面台で温水を流しながら手を洗ったら、手が霜焼け気味になっていたようで、手が解けるような感覚だった。襟巻や手袋を買い足し、宿に戻ることにする。
 地下鉄Green LineでCoolidge Cornerまで行き、宿のそばにあったベトナム系の店で夕食をとり、すぐに宿へ戻る。のんびりビールを飲みながらTVをつけつつ日々の記録を書いているうちにカウントダウンの時間へ、そのまま新年となりハッピーニューイヤー!テレビでボストン市内の花火が生中継され、宿のそばでも花火を上げているらしい音が聞こえた。2017年に経験した&出会った様々な人や事に感謝。2018年が充実した一年となりますように。