ニューイングランド生活 第5週

9/25 (Mon)
 朝、久しぶりにテニス。この数日はずっと暑い日が続いており、1時間弱のプレイにもかかわらず、たくさん汗をかく。
 朝にアドレナリンが出たからか、途中の昼食時を除き、日中はずっとオフィスで仕事。目に留まった記事のメモを書いたり、日本から持ち込んだ仕事の処理や、翻訳関係の作業を続ける。春学期までは毎週8コマ授業があり、それに加えて各種会議が入ったりして、じっくりオフィスに座って仕事を続けられる日はなかなかなかった。そのため、今の時間を毎日無駄にせず、しっかり過ごしたいと思う。妻が他大学で開講されている夜間授業を履修するようになり、それが終わる頃に迎えに行き、今日は店じまい。

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9/26 (Tue)
 朝はランニング。近くの自転車・散歩用トレイル(旧・鉄道路線跡)に1マイル(1.6km)ごとに目印となる石柱が立っていたのは見ていたが、走っていると1/4マイル(400m)ごとに目印の石板が目立たない形で置かれていることに気づいた。一応Garmin社のGPS付時計で距離とペースを計りながら走っているものの、これは便利。今回は2マイルの往復6.4km、賀茂川沿いを走るのとはまた違った気分で、汗はかくが心地よい。帰宅して、ネットで購入し昨日届いたばかりの体重計に乗ってみると、76.1kgと出国前よりも落ちていた。渡米前は周囲から「アメリカに行ったら太って帰ってくるでしょう〜」と言われていたので、それを挽回する良い機会かも。
 午前中に仕事したあと、先週金曜のコロキウムで発表していた哲学科の先生とランチ。50分ほどいろいろな話をする。政治哲学の分野で研究していた彼は、資本の影響や居住者―地主の権力関係への問題提起だけでジェントリフィケーションをとらえるのは不十分と考え、それゆえ正義論や束縛からの自由といった観点から論じようとしているとのこと。今後の進展が楽しみ。彼は地理学と哲学の接点についてあまり知らなかったらしく、アメリカでは学問分野を超えたコラボがあるという話や、地理学の変化、アメリカの地理学教室の分布の背景などについても話す。教員食堂で昼食を取りながらの会話だったが、非常に貴重な機会だった。またこういう時間が作れることを期待したい。
 翻訳作業を続けたり、いろいろなものを読んだり。帰宅して夕食をとった後に、総合デパートTargetへ携帯のプリペイド料金を買いに行く。今後はネットで購入しても良いのかも。ただ、慣れてくるとアメリカ国内で発行されたクレジットカードを持っていないことが時折不便になる。1枚用意するかな・・・。

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9/27 (Wed)
 朝、所属大学で実施されている教員向けのライティング・リトリートへ行く。研究には何よりも「書く」ことを重視するうえで、それを推奨する試み。数名の教員が来て皆黙々とPCに向かって書いていた。普段授業に追われていると、こういう活動はなかなかできない。このような「研究支援」もありだなぁと感じる。

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9/28 (Thu)
 朝、ランニング。少しずつペースも良くなっている。昔ほどのスピードでは全く走れないが・・・。
 昼、ホスト側の所属先となるアジア言語・文明学科が勤務校からの派遣者・留学生を対象としたランチ会を開催して下さり、それに参加する。ホストの大学は日本語の常勤講師が4名おり、大学の規模を考えると規模は大きい方だろう。私自身はあまり英語の環境で日本語を話すことは好まないが、こういう機会は例外的な存在だなと思う。
 夕方、ホスト側の先生方有志の誘いで、近くの店へ呑みに行く。目立たない場所にあったが、地ビールの品ぞろえは豊富。3人で行って、交代交代で3人分を買いに行くのもアメリカ式。こちらに来てから初めて妻以外の人たちと呑む機会であったことに気づく。学内外のいろいろな話をして、1時間半ぐらいで解散。良い機会だった。

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9/29 (Fri)
 朝、少しテニス。近くのコートでテニスができるのは本当にありがたい。
 昼、少しばかり作業をしたのちに、妻と出発。週末に友人一家を訪ねるため、メイン州へ向かう。この日は妻が調べていたことで知ったショッピングの街、Freeportへ。元々あったL.L. Beanの本店に加えて多数のアパレル系ショップが店舗をこの地に設けたことで、市の中心地にアウトレットが出来たような状態になっていた。パタゴニアNorth faceやL.L. Beanなど、いろんな店を回る。私は最終的にパタゴニアで冬物アウトドアコートを半額セールで購入。十分買い物をして、ここで一泊。

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9/30 (Sat)
 朝食後、宿を出てから再びダウンタウンへ。前日に行ったL.L. Beanに加えて、Banana RepublicやGAPにも行く。
 昼にメイン州のLewistonへ。大学院留学時代の友人Tina Mangieriと一家を訪ねる。彼女とは既にFacebookでつながっていたし、アメリカ地理学会などで会ったりはしていたが、よくよく話してみると最後に会ったのは6年前のシアトルでのアメリカ地理学会だった。久しぶりの再会、彼女の夫もずっと会っていなかったし、息子も初対面。とても懐かしく、いろいろな話をする。
 一段階してから、彼女の勤務するBates Collegeを案内してもらう。なるほど、私達の受け入れ先の大学と似たリベラルアーツ・カレッジ。ただ、私達がいるところよりも坂が少ないので、動きやすいかなと思った。チャペルは立派。リベラルアーツカレッジと教会は切っても切れない存在であることを実感する。
 大学の近くにあったタイ料理の店で軽く夕食を取った後に、彼女がアレンジしていたManhattan Short Film Festivalの上映会へ行く。短編映画のコンテストで、最終選考に残った10本から最優秀賞と最優秀俳優賞をオーディエンスが投票で選ぶというもの。自分が気にいるものもあれば「えぇぇ?」という内容のものもあったが、なかなか興味深い機会だった。(後日談として、最終的に世界全体で視聴者投票を集め、そこで最優秀賞が決定された。個人的には金賞はユーモア度で秀でていたものの、それ以外のものの方が内容的には良かったと思う)これ、いつか京都シネマでも行われるといいなぁ・・・。

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10/1 (Sun)
 朝、友人の長男がプレイする地元のサッカーチームの試合を観戦・応援に行く。両チームとも15人ぐらいいて、試合の途中で頻繁に交代しているのが良かった。チームは後半に追い上げたものの惜敗。日が昇って眩しかったが、多くの子供たちが来てプレイしているのは良い光景だった。
 Lewistonの街中にある美味しいベーグル屋で遅い朝食を取ったあと、Freeportへ。長ズボンをはじめとした冬服を買いに行く。Freeportに前日行った我々も、その時に入らなかった北欧系のアパレル店へ入り、流れで私は半袖シャツを買ってしまう。買い物は怖い・・・。
 買い物を終えて、海岸地域へ案内してもらう。Freeportからしばらく北東に行き、元は海軍や造船の街だったBathから南へ。海沿いの州営海岸公園は有料だったので入らず、もう少し先に行った海岸沿いの史跡へ。古くから見張り場として使われていたここは、第一次大戦時には機雷も設置
されていたらしい。現在は海辺の静かな土地。とても気持ちの良い場所だった。
 そこから車で15分ほど戻り、夕食はSebasco Harbor Resortのレストランへ。先ほど行ったところとは異なる海辺の気持ち良いエリア。強風のため、外での夕食はできなかったものの、シーフードを美味しくいただく。フライばかりなのはアメリカらしいが、それも御愛嬌。妻が食べたロブスターのサンドイッチは、ボストンで食べたそれよりもずっと身が詰まっていて美味しかった。
 夕食を終えてLewistonへ。友人宅へ戻り、子どもを寝かせた後も4人でいろいろ話していた。