ニューイングランド生活 第4週

<記録はつけているのですが、長らく更新せずのままでした。すみません…>

9/18 (Mon)
 朝、午前中は普通に仕事。いろいろ溜まっていたものを読む。
 保険会社から郵便が届き、自動車保険用の検査が必要ということで、午後に保険会社が指定する整備業者へ行く。写真を撮ったり中を確認したり。遠方まで来る意味があったのかわからないが、業者側も「なんでわざわざここまで?」と言っていたのが印象的だった。あと11カ月、ケガなく乗りたい。
 この日から妻がマサチューセッツ大学アマースト校(UMass)の夜間英語クラスを履修し始めたので、夜に送迎。少しずつ学ぶ機会になってほしいと願う。

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9/19 (Tue)
 午前中は普通に仕事。午後に所属するアジア言語・文明学科の学期初めレセプション。学科が購入したという本の紹介があったり、教員や学生との交流があったり。
 その後、夜に対談イベントへ参加。Ilan Stavans先生が司会。Stavans先生は以前京都へ交流で来られたことで面識があった。イベント自体はワシントンポスト記者を招いてBlack Lives Matter運動の勃興について語られたもので、なかなか興味深かった。

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9/20 (Wed)
 朝、ランニング。なんとなくだるかったので、4kmほどと短め。そのあと普通に出勤。しばらく昼食抜きダイエットをしていたが、昼にどうも腹がすいてきたので、初めて学食(Dining Hall)へ行く。ここの学生は寮費や学費に食事代が含まれているが、教員はその都度払うとのこと。しかし昼食が食べ放題で3ドル!これはすごい・・・。

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9/21 (Thu)
 ランニングもテニスもお休み。終日論文修正とメールの対応。詳細は失念。少し早めに帰宅し、妻の買い物を手伝う。留学時代の後輩がコネチカット州に来ていることを夜にSNSで知り、彼を訪ねることを検討しながら寝る。

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9/22 (Fri)
 この日もランニングとテニスはお休み。後輩を訪ねる事を検討しつつ、日中は仕事を進める。昼に教員のコロキウム(カジュアルな研究発表会)があり、それに参加する。哲学科の先生がジェントリフィケーションについて論じるもの。まだ初歩段階の研究という印象だったが、正義論や構造共和主義(?)から論じようとするのは目新しく感じた。
 結局コネチカットは行かないことになり、夕食は街へ出る。豚バラの前菜は初めて食べるタイプの料理で興味深かった。

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9/23 (Sat)
 季節外れの暑さがやってきて、朝の運動はお休み。体調がイマイチだったので、マーケットも行かず。
 少し余裕が出てきてから、昼過ぎに少し外へ。数日前にメールで見かけていた「マウント・ホリーヨーク山にフンボルトの石碑があるという話は本当か?」との投稿が気になり、州立公園の現場を観に行く。石碑はどうもなさそうだったが、Mt. Holyokeの頂上はコネチカット川流域が見渡せるとても素晴らしい見晴らしだった。頂上にあった小屋は閉鎖中だったが、のんびり下を見下ろすピクニックには向いている場所。来てみてよかった。
 帰りの途中で家に必要な雑貨を購入、夕食も近くのファミリーレストランでテイクアウト(持ち帰り)で購入して帰り、家で酒を飲みながら食べる。Applebee'sの料理は可もなく不可もなくといった感じ。

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9/24 (Sun)
 今日がアメリカに来て4週目。夜は暑かったのが朝に冷えて布団から出られず・・・。朝食を取った後、妻とともにお出かけ。今回はヴァーモント州に行くことにし、州中部のニューイングランドメイプル(カエデ)博物館を目指して北上する。
 高速道路が空いていたので運転は楽だったが、国道4号を西進し始めてからは山越え・山下りの連続。スキーリゾートらしき場所も通ったが、ゲレンデが見えず不思議な感覚だった。
 目的地の博物館へは、給油や休憩も含めて3時間半ぐらいで到着。来るまで知らなかったが、ヴァーモント州はメイプルシロップ・砂糖の生産が全米一位らしい。先住民の居住時代からメイプルシロップの採取と精製がどう変化したか、様々な展示とともに学ぶ。10年前にメイン州在住の友人を訪ねた際にチューブ状の樹液採取を見ていたが、ヴァーモント州は伝統的にバケツで集めているらしく、少々驚く。また、採取と精製の最盛期は3−4月とのことで、これも意外だった。シロップは採取時期や加工の過程の違いで色や味も変わるらしく、それらを試食したりした。なかなか奥が深い・・・。また、売店の横には「ヴァーモント州のメイプルシロップをほとんど使っていない(インチキ偽装の)商品」が展示されており、産地・生産者保護がここでなされていることも学んだ。労働集約型の製造で、製品になるのは樹液の40分の1程度にすぎないとのことで、簡単に安売りはできないことも知る。今後も観察を続けたい。
 ここからそのまま帰るのはもったいなかったので、近くに何か興味深い施設がないか聞いたところ、Vermont Marble Museum(大理石博物館)があると聞いた。先々週にノース・アダムズを訪ねた際に大理石の採掘場とその跡が作った渓谷を見ていたので、関連があるのではと思いながら行ってみた。行ってみると、規模は想像以上。ここの展示を見て知ったが、ヴァーモント州にはかつてヴァーモント大理石社(Vermont Marble Company)という企業があり、それが立地していたProctorという街はまさにその企業城下町だったとのこと。採掘規模も大きく、また合衆国が工業化を進めていた時期で、19世紀末〜20世紀初頭にかけて多くのヨーロッパ移民がここに従事したらしい。同時にここで社会派の写真家がたくさん撮った写真がきっかけとな
り、児童労働の規制が生まれていったという指摘はとても興味深かった。展示されていた大理石はどれも立派なもの。たしかにキッチンもトイレや洗面所も、大理石だと綺麗に見えるなぁと実感する。
 日が暮れはじめた16時ごろにここを出て、下道を中心に家路へ。高速道路に出るまでの道はひたすら山越え・山下りが続き、周囲はほとんどが森林だった。既に紅葉も始まっており、10月がどんな色になっているか楽しみ。約3時間半で帰宅。まだ夜の運転は慣れていないので、慎重にいきたい。